地球システム科学科の立石准教授・佐野教授が、京都大学・金沢大学の研究者と協力して、昨年10月〜12月に、富山湾南部で水中ドローンによる海底地すべり調査を実施しました。神通川河口沖合では、海底谷の水深300 m付近に、垂直で、新鮮な壁面を持つ、高低差数十mに及ぶ大規模な崖が存在しており、谷底に、地層が崩壊して形成された、大きな、角ばったブロックが散在していることから、令和6年能登半島地震に伴う「海底地すべり」の痕跡だと考えられます.また、庄川・小矢部川河口沖合の海底谷でも、地層にできた、崩壊に伴う割れ目や新鮮な壁面、角ばった地層ブロックが多くの地点で確認され、地震の揺れに伴って、富山湾内の各所で「海底地すべり」が発生したものと考えられます。また、地層の崩壊が白エビ産地付近の海底の様相に大きな影響を与えていることも初めて確認できました.当学科では、今後も海底地すべりや海底地殻変動の調査を精力的に進めていきます。
プレスリリース全文:https://www.u-toyama.ac.jp/wp/wp-content/uploads/20250116.pdf
ダイジェスト動画:https://youtu.be/HfaJe2u4xmc
神通川河口沖合の崖下で見つかった,崩壊した岩石のブロック(水深約330 m)
神通川河口沖合の崖を作る,ほぼ垂直で,新鮮な壁面.水平な地層が観察できる(水深約300 m)
庄川・小矢部川河口沖合の崖の中腹で見つかった,地層の崩壊を示す開口割れ目(水深約245 m)
庄川・小矢部川河口沖合の白エビ産地付近の海底斜面で見つかった,崩壊した岩石のブロックと,その間を埋める細粒堆積物.2024年の海洋ゴミと底生のエビが観察できる(水深約310 m)