数理・データサイエンス・AI教育

概要・カリキュラム

①「応用基礎レベル」の認定

本学部の数理・データサイエンス・AI教育は、文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」の規定に基づき、「応用基礎レベル」の認定(令和5年8月25日)を受けており、本学の数理・データサイエンス・AI教育を先導しています。なお、「リテラシーレベル」は、全学部で認定を受けています。

自然と社会が共生できる魅力ある都市・地域づくりを構想するためには、様々な情報を収集・分析する必要があります。特に近年急速に進展する認識系・生成系AIやビッグデータ解析、IoT等情報技術を最大限に生かすためには、デジタル化された大量のデータから、適切に情報を読み解く能力が必要となります。本学部では、自然科学や科学技術、社会科学等を学ぶ際の「データ(数値)」を読み解く能力の必要性を重視し、「データサイエンス(確率・統計/多変量解析)、データエンジニアリング、人工知能AI、プログラミング(C、Pythonなど)」に関する授業を提供しています。

以下に学部が推奨している履修モデル例を示します。

② 特定分野校「理工農学分野」に選定

2022年4月から始まった文部科学省「数理・データサイエンス・AI」教育の全国展開の推進事業に、本学部が提案した「地方創生・SDGs達成を通した数理・データサイエンス・AI教育の普及・展開」事業が採択され、数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアムの特定分野校「理工農学分野」として北陸で唯一参画しています。

本事業の特定分野は「都市デザイン学」であり、「まちづくり、地域づくり」におけるデータサイエンス、AIの活用を推進します。そのため、(1)応用基礎レベルの数理・データサイエンス・AI教育のモデル教材、(2)GIS(地理情報システム)のモデル教材、(3)「まちづくり、地域づくり」に活用できる教材データ、(4)「まちづくり、地域づくり」におけるデータサイエンス、AI、GISの活用事例、を教育コンテンツとして作成して普及展開を行っていきます。

③「AI×都市デザイン学」へ進展

デジタル社会の「読み・書き・そろばん」である「数理・データサイエンス・AI」の基礎力育成はあらゆる分野で求められ、「AI×都市デザイン学」のように2つの専門を同時に学ぶダブルメジャーの促進やAIで地域課題等の解決ができる人材育成が今強く求められています。本学部では、自然災害予測、インフラ・防災に関わる国土強靭化、交通インフラ・物流・人流、機能性金属材料開発、スマート農林水産業、地方創生DX等を視野に入れて、ウェルビーイング(well-being)でサスティナブルな社会の創成を実現する教育・研究に貢献していきます。

④学生アンケートを通じた学生の内容の理解度、満足度に関して

応用基礎コア「Ⅰ.データ表現とアルゴリズム」、「Ⅱ.AI・データサイエンス基礎」、「Ⅲ.AI・データサイエンス実践」において必須内容を含む授業科目において、各科目の理解度や満足度等について授業後にアンケートを実施しています。

表:都市デザイン学部向け教育プログラム(必修科目)授業評価アンケート結果

授業コード 授業科目名 この授業を全体として理解できた 総合的に判断して、この授業に満足した 履修者数
195010 データサイエンスI/確率統計 4.42 4.53 43
195011 データサイエンスI/確率統計 3.81 4.08 44
195012 データサイエンスI/確率統計 3.26 3.48 74
190020 データサイエンスII/多変量解析 3.88 4.13 41
190021 データサイエンスII/多変量解析 3.52 3.76 59
190022 データサイエンスII/多変量解析 3.64 4.08 33
190030 データサイエンスIII/ビッグデータ解析基礎 3.73 3.77 64
195002 科学者・技術者倫理と知的財産 4.61 4.61 142
195001 地域デザインPBL 4.04 4.04 148

理解度について

応用となる「データサイエンスⅡ」や、実践的な内容である「地域デザイン PBL」では、理解度は十分に高いスコアとなっています。これらの科目では、暮らしに身近なデータを演習教材として利用するという工夫をしており、それが高い理解度につながっていると考えられます。そういった点で、「データサイエンスⅠ」といった基礎的概念の理解においても(富山の人口動態や気候など)の学生にとってなじみ深い実際のデータを演習教材として準備することで、理解度の改善につながることが期待されます。

満足度について

令和5年度に実施した授業評価アンケートの「総合的に判断してこの授業に満足したか」という設問では、おおむね理解度に沿ったスコアとなっています。そのため、理解度を向上させることで、授業への満足度も向上させることが可能であることが示唆されています。そういった点で、(富山の人口動態や気候など)の学生にとってなじみ深い実際のデータを演習教材として準備することは、満足度向上の対策としても有効と考えられるため、演習教材の準備を行っていきます。

参考URL
https://ds.ctg.u-toyama.ac.jp/wp-content/uploads/2023/11/R4DSprogramHyoka231102.pdf