地球システム科学科4年生の濱村康介さん・立石准教授・佐野教授が、金沢大学の研究者と協力して、今年7月に、能登半島北岸沖で水中ドローンによる海域活断層調査を実施しました。調査地点では、音波探査による地形変化の調査から海域活断層の分布が推定された地域の水深60-72 m付近に、3段の段差をもつ階段状の急斜面が確認されました。段差のうち下位2段は、ごく最近形成されたものとみなせ、令和6年能登半島地震を引き起こした断層運動の痕跡と考えられます。その落差は合計約5 mで、地震規模に応じた大きな変動があったことが分かりました。また、最上位の段差(落差約3 m)は、令和6年能登半島地震以前の断層運動により形成された断層崖と判断されます。今回の調査で、この地震を起こした活断層の活動痕跡が直接観察され、また微地形や断層構造の多様性が確認されました。
当学科では、今後も海底地すべりや海底地殻変動の調査を精力的に進めていきます。
プレスリリース全文:https://www.u-toyama.ac.jp/news-press/119705/
ダイジェスト動画:https://youtu.be/QaIw5PgXZkc
ダイジェスト動画
観察された段差の一部。ほぼ鉛直な壁面を境に、南側が高い。壁面は付着生物や付着物に乏しく、壁面下部には新鮮な岩石のブロックが散らばる。これらのことから、壁面(白線より下側)はごく最近形成された断層面と考えられる。