都市・交通デザイン学科の1年生は「入門ゼミナール」を通じて当学科が対象とする様々な分野の魅力に触れていますが、この講義では座学のみならず、フィールド実習を通じて体験的に理解を深めています。6月末~7月初頭にかけて8つの班に分かれて現場見学やフィールドワークを行いましたので、班ごとの活動を紹介したいと思います。
1班では、施工中の国道41号のバイパス道路(猪谷楡原道路)における建設中の2橋(猪谷橋・片掛橋)を見学しました。開通間近で舗装前の猪谷橋の上を歩きながら渡り、アーチ構造や部材の特性などついて国土交通省 富山河川国道事務所の方より説明いただき勉強しました。
アーチ構造や部材の特性などの説明を受ける学生
4班は、富山県富山土木センターのご協力のもと、富山大橋の見学を行いました。富山土木センターで説明をお聞きした後、舟橋などの旧神通川痕跡を見ながら、富山大橋に赴き、現場で説明を伺いました。昔の富山大橋の構造が再現されているポケットパークでは、橋の構造を観察するとともに、新旧富山大橋の違いを観察しました。富山土木センターには、2024年3月に卒業した卒業生が配属されており、今回の見学にも同行し、在校生と交流していました。
富山大橋ポケットパークでの見学の様子
5班は富山県庁において、土木部港湾課、地方創生局観光振興室、の2つの部署から、運河の維持管理や活かし方についてご説明を伺った後、環水公園を経由して住友運河へ出向きました。環水公園では、牛島閘門や運河沿いのプロムナードを見学した後移動しました。住友運河では、授業で学んだ富岩運河の歴史を振り返りながら、住友運河で現在工事中のプロムナード親緑地周辺の土地利用状況について、現地調査を行いました。過去から現在に至るまで、使われ方が大きく変化してきた運河や運河周辺の歴史を踏まえて、これからの運河の活かし方について検討していきます。
現地調査の様子
6班は富山市都市計画課の方々のご案内により、南富山駅周辺のフィールドワークを行いました。アーケード商店街、様々な市街地、駅前広場のまち歩きを行いながら、まちづくりの現状についてご説明いただいた後、北陸アート院前の東屋で「南富山駅周辺まちづくりビジョン」に関する基本方針や内容についてご説明を受けました。学生は南富山駅周辺のまちづくりの現状について理解するとともに、まち歩きを通じて感じた印象などを踏まえて話し合いました。また、市の担当者とまちづくりビジョンについての意見交換を行い、学生からの多くの質問に対しても丁寧にお答えくださいました。
まち歩きの様子
7班は株式会社 林土木の皆様にご協力いただき、国道8号の豊田新屋立体事業と国道41号の大沢野富山南道路の工事現場を見学しました。それぞれの工事の特徴や詳細、施工の方法や技術について、土木工学を学び始める1年生にもわかりやすい丁寧なご説明をいただいた後、実際の現場を見学し工事のスケールを体感することができました。また、現場での仕事や働き方についても詳しくお話いただき、土木技術者として働く魅力を感じる貴重な機会となりました。
写真左:豊田新屋立体事業 見学の様子 写真右:大沢野富山南道路工事 見学の様子
8班では「コンサルタントの仕事と新湊大橋の設計、及び地震による液状化」というテーマでフィールド実習に取り組みました。この日のフィールド実習では、大日本ダイヤコンサルタント株式会社 北陸支社様にお邪魔をし、建設コンサルタントとはどのような業種でどのような仕事をしているのか、その社会的役割も含めて、直接社員の方よりお話を伺いました。そして同社が設計に携わった新湊大橋について説明を受けた後、実際に車で現地に案内していただき、このような大規模な橋の計画や設計、施工などについて、直接説明をいただきながら学びました。2年前に本学科を卒業したOGが同社に入社して北陸支社に勤務しており、学科の先輩から直接説明を受けました。
写真左:大日本ダイヤコンサルタント(株)北陸支社で説明を受けています。本学科を卒業した先輩が説明をしてくれました。写真右:橋が大き過ぎて、あまり近づくとカメラに収まらないので、このあたりからパチリ。
最後は「海王丸パーク」より橋を眺めて記念撮影。快晴の日には、背景に雄大な立山連峰を望むことができます。
今回のフィールド実習を実施するにあたり、行政や企業といった様々な方のご協力を賜りました。ご協力いただいた皆様へ厚く感謝申し上げます。学生はフィールド実習で学んだ内容を振り返り、講義最終回に成果発表会でプレゼンテーションを行いました。成果発表と最終レポートをもちまして今年度の「入門ゼミナール」は閉講となります。学生の皆さんお疲れ様でした。