材料デザイン工学科

松田健二教授らの研究チームが日本金属学会金属組織写真賞最優秀賞等を受賞

本学学術研究部都市デザイン学系(都市デザイン学部)の松田健二教授 、西村克彦教授 、布村紀男教授 、ノルウェー科学技術大学 (NTNU) 、ノルウェー工業技術研究所 (SINTEF) 、九州大学、原子力研究機構、北海道大学、長岡技術科学大学による、国際共同研究チームは、公益社団法人日本金属学会から 2020年12月7日付けで、第71回金属組織写真賞最優秀賞の授与の通知を受け、2021年2月18日にオンライン公表されました。(https://jim.or.jp/jim/PhotoAward/)

対象の金属組織写真は、同学会の欧文誌 “Materials Transactions” の 2019年8月に掲載された「Al-Zn-Mg-Cu 合金における結晶粒界無析出物帯中の溶質クラスタ」という題名の金属組織写真です。航空機に利用されている超々ジュラルミンとして知られる Al-Zn-Mg- Cu 合金という多元系の結晶粒界近傍で生じる複雑な材料組織状態を、緻密な電子顕微鏡観察を行うことで、従来の概念にない新しい現象の金属組織として明らかにした成果が評価されました。

授与は2021年3月の同学会春期大会(オンライン)にて行われる予定です。

また、この論文は日本金属学会と共同刊行をしている、一般社団法人軽金属学会から2020年11月6日付けで「2020年度軽金属論文賞」にも選ばれ、公益財団法人軽金属奨学会、日刊工業新聞社からも「2020年度軽金属論文賞」に対して表彰されました。

海外の学術雑誌への投稿が多い中で、松田健二教授らの研究チームは今後も日本の学会誌の知名度向上のために尽力いたします。

対象論文
“Effect of Copper Addition on Precipitation Behavior near Grain Boundary in Al-Zn-Mg Alloy”
(学術雑誌名 Materials Transactions, Vol. 60, No. 8 (2019), pp. 1688-1696)

【図1】 の400nmと記されている領域は、従来、結晶粒界近くに強化する化合物がないとされる領域。
【図2】の白点線の方形部分を拡大した組織写真 【図3(a)】で、白矢印で示したような数nmの化合物が存在している。(【図2】の70nmと記した領域には強化する化合物は確認できない。)

2021.03.15 新着情報