9月1日日曜日に「自主プロジェクト 未来の材料・構造を考えよう!」の活動の一環で、黒部峡谷鉄道と関西電力黒部専用鉄道、関西電力インクラインに乗り、仙人谷ダムと黒部ダムを見学してきました。
宇奈月から欅平間の黒部峡谷鉄道では、社客専用列車に乗車させて頂きました。黒部川に沿って列車は走ってゆき、車窓からは野生の猿や出し六峰、ねずみ返しの岩盤、万年雪などの豊かな自然と宇奈月ダム、出し平ダム、黒部川第二発電所などの構造物を眺める事ができました。
欅平からは関西電力黒部専用鉄道に乗り換え、仙人谷・黒部ダム方面へ向かいます。名前の通り専用鉄道なので一般の観光客などは普段立ち入ることのできない区間です。
欅平下部駅と欅平上部駅の間は高低差が大きいため、トロッコごと載せることができる約200mの竪坑エレベーターがあります。その先の阿曽原付近は高熱隧道と言われ、開通にもっとも苦労した超高温区間です。工事の際の岩盤温度は160度にものぼり、発破用のダイナマイトが自然発火するほどだったそうです。現在でもトンネル内は40度の高温になっていて、もしものことが無いようにと私たちが乗ったトロッコも耐熱仕様の特殊車両でした。
専用鉄道の終点の黒部川第四発電所では制御室や水力発電所の内部にある巨大なベルトン水車を見る事ができました。
その後、インクラインと呼ばれる傾斜角34度、高低差456mの坂を20分ほどかけて登るケーブルカーに乗車しました。暗く長い斜坑はとても迫力があり、遊園地のアトラクションのようでした。
インクラインの終点からバスに乗り換え、黒部ダムへ向かい、関電トンネル電気バスの黒部ダム駅から階段を上ると、視界が開け黒部湖を見渡す事ができました。堤高186 m、幅492 mのダムは壮観でした。
今回の見学では、困難に直面しても知恵を出し合って黒四ダムまでのルートを開通させたり、巨大構造物を築いた先人達の凄さをまじまじと感じたと同時に、雪崩や爆発事故など一連の工事で200人近い犠牲者が出たと聞き、険しい自然に立ち向かいながらインフラを整備することの大変さを痛感しました。
お忙しい中、見学の機会を与えていただき、一日がかりでご案内いただいた関西電力の皆様、ありがとうございました。