地球システム科学科

フィリピン火山地震研究所で2日半のセミナーを実施しました!

フィリピン火山地震研究所 (Philippine Institute of Volcanology and Seismology) へ行ってきました。この研究所とは、タール火山の調査・研究で以前から一緒に仕事をしています。
この研究所では、昨年、重力計を導入し、運用を始めたのですが、その分野の研究者が何年か前に退職し、研究のノウハウが失われて久しい状況になっていました。昨年、文部科学省の科学研究費でタール火山の観測を行った際に、研究所の方から、重力と重力データを用いた地下構造の推定(重力探査といいます)についての基礎的なセミナーを依頼されました。この依頼にこたえるため、今回、楠本教授と東海大学の長尾教授の2人で、測定方法や解析手法等の講義と実習を行ってきました。
地球の形と重力、重力の測定方法、重力異常(*)の求め方、重力異常から地下構造を推定する方法についての講義と、重力異常データから地下構造を推定する計算(コンピュータ・シミュレーション)の実習等を2日半の日程で行いました。写真はコンピュータ・シミュレーションの実習風景です。地球システム科学科でも同様の授業と実習が行われます。
今後は、研究所の重力計で測定された観測値を基に、フィリピンの火山や断層の地下構造についての研究を、私たちと共同で進めて行く予定です。

(*) 重力異常:測定された重力値には、地下構造(不均質な密度構造)の情報が含まれています。一方で、地球は均質と仮定して得られる理論重力値(正規重力値)があります。観測値から理論重力値を引き算すると、均質な地球からのずれが得られます。これが重力異常の基本的な概念です。実際の重力異常では、太陽や月の影響、観測点の高さや地形の引力効果などの補正を施します。詳細は授業と実習で学びます。


2018.01.22 トピックス